バーチャルオフィスはインターネットを介して多くの人が便利に使えるサービスですが、それが災いしてトラブルが起こる場合もあります。あらかじめトラブル例を確認しておき、事前に問題を避けたり、様子がおかしいと感じた際は素早く対処ができるようにしておきましょう。
バーチャルオフィス利用で起こりやすいトラブル例とその対処法・回避法
バーチャルオフィス利用で実際に起こった/起こりやすいトラブルを項目ごとに分けてご紹介します。
● 契約関係(お金)にまつわるトラブル
契約終了後に住所の継続利用が発覚する
契約が終了しても住所の表記などを続けていた場合、規約違反となり違約金や損害金の請求がなされる場合がほとんどです。故意でなくとも「うっかり取引先に伝え忘れて店舗に郵便物が届いてしまった」などが無いように気をつけておきましょう。
・契約終了までに、その住所を利用したすべてのコンテンツから内容削除・変更を行う。(名刺やDM、チラシ広告、メール署名欄なども忘れずに)。※解約申請の際、あらかじめ住所を削除したことがわかる画像の提出を求める会社も多いです。
・早めに取引先に住所変更の連絡をして、郵便物がバーチャルオフィスに届いてしまわないようにしておく。
解約の申請期間を過ぎてしまい余分なお金が発生する
解約の「申請期間」を過ぎてしまい、「解約の意思はあるのに契約が自動更新されて余分なお金がかかってしまう」というトラブルが発生しやすいです。
引き落とされたお金は返金しないと規約で定めている会社がほとんどなので、問い合わせても返金がなされず遺恨が残る場合があります。気をつけておきましょう。
・解約の意思がある場合は解約の申請期間をやその方法を事前に把握しておき、早めに申請と提出物の準備しておく。※「解約の2ヶ月前に申告」などという会社もあります。余裕を持って・忘れずに確認と申請を行いましょう。
信用金庫や信用組合では融資を受けにくいと後から知った
近年バーチャルオフィスの認知度や利用者も増え、バーチャルオフィスの住所で金融機関と取引を行うことも一般的となってきました。
ただ、融資等を受けたい場合、特に起業を行う際の「創業融資」の場合は「信用金庫や信用組合」だとかなり難しくなる場合がほとんどです。
理由としては「①会社の実態が掴みにくいため」。事業実績を持たない会社に融資をする場合、その他の信用情報としては「住所の確かさ」が大切になります。その点で「誰でも借りられるバーチャルオフィス」だと住所含めその実態を把握しにくく、安心して融資を提供しにくくなります。
理由「②バーチャルオフィス利用者は住所を変えやすいため」。金融機関が融資を行う際には、その会社がある「エリア」の支店が担当します。なので例えば融資決定後にその住所を移転されてしまうと担当エリアが変更となるため、金融機関にとって非常に業務が煩雑となります。そのためバーチャルオフィス住所利用者への融資は避けられる傾向にあります。
・まずはこの事実を事前に知っておき、一件でも多くの融資元を確保したい場合は、自身で物件を借りるか自宅住所の利用を検討する。(賃貸の場合は契約上可能かどうかも確認する。)
・どうしてもレンタルしたい場合は、バーチャルオフィスよりもレンタルオフィスなど店舗として実体がしっかりある場所を借りられると良い場合がある。
創業融資」の場合で、例えば数年決算などを経て事業実績を積んだ場合、事業内容の信頼性が高まるため、バーチャルオフィスの住所利用であってもその他の融資を受けられる可能性は大いにあります。
その場合もバーチャルオフィス運営会社自体の信用度が高かったり、「会議室やコワークスペース」などを併設している実体のあるバーチャルオフィスを選択するのがおすすめです。
社会的信用度の高いバーチャルオフィス運営会社はこちら
会議室のある現地利用向けバーチャルオフィスはこちら
ネット銀行の法人口座では保険等の支払いができない場合がある
こちらはバーチャルオフィスに限ったお話ではありませんが、法人口座を持ちたい場合、メガバンクや都市/地方銀行にくらべて「ネット銀行」での開設が容易なためネット銀行を選択をしがちです。
ただし主なネット銀行では社会保険の支払いや各種共済(保険)がかけられないなど不便な点があります。ひいては税金対策の手段が減る(掛け金が所得控除となるため)にもつながりますので、気を付けておきましょう。
◆利用できない共済やサービスの一例
楽天銀行…経営セーフティ共済
住信SBIネット銀行…経営セーフティ共済、小規模企業共済、Pay-easy
※GMOあおぞらネット銀行では2024年4月から「国税・社会保険(厚生年金など)・国民年金保険」の口座自動振替が可能となっています。従来はネットバンキングからの振り込み/Pay-easy(ペイジー)での支払いのみでした。こちらはGMOオフィスサポートと非常に相性の良い銀行になります。
● バーチャルオフィス運営会社にまつわるトラブル
過去に犯罪に使われた住所である
バーチャルオフィスはそのサービスの性質上、利用者の悪意によって犯罪に利用されていた経歴が残っている場合があります。
こういった住所を使ってしまうと、顧客に不信感を抱かせるばかりでなく、銀行の口座開設や融資など様々な審査に影響する可能性が増してしまいます。
・住所自体をあらかじめネット検索などして調べておく。
・不穏な情報の出てくる住所やバーチャルオフィス運営会社の利用は避けておく。
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拠点の閉鎖や住所の変更が起こる
バーチャルオフィスの住所が運営会社の都合で変更されてしまったというトラブルもあるようです。そうなると住所を記載した様々な箇所に変更手続きを行う手間とお金が発生するため、なるべく避けたい事案です。
事業が長く安定して続いている会社、もしくは自社ビル経営のバーチャルオフィスなら拠点の閉鎖や移転の心配は少なくなります。こういった理由もあり、大手経営の会社や老舗の運営会社などが人気となっています。
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借りる住所のエリアや物件の雰囲気と自社のイメージが合わない
利用用途にもよりますが、借りた住所や物件が自分のブランドや会社のイメージに合わないと顧客に与える印象が悪くなってしまいます。
近年では、住所さえ分かればマップアプリなどで誰でもすぐにそのエリアや物件の確認ができてしまうため、より気をつけておきたい部分です。
・事前に提供住所やエリア、物件の雰囲気を確認しておく。
・一等地住所や綺麗な物件を提供しているバーチャルオフィスを利用する。
郵便物の不着や誤送トラブル
過去には「郵便が転送されてくるまでかなり時間がかかっている」「違う会社の郵便物が届いた」「郵便物の転送自体がなされていなかった」という郵便物のトラブルがありました。
これは運営会社の故意/過失どちらの場合もありますが、郵便物は利用者自身の信用に関わる大切なものであるため、この部分に問題がない会社を選びたいです。
この点に関して事前に良い会社を知るには、「現在の利用者が問題なく使えている会社」を選択することがベストです。口コミなどをしっかりと確認し、評価の良い会社を選びましょう。
(ちなみに以前郵便物の転送を怠っていた会社はすでに事業停止をしています。)
当サイトではこちらのカテゴリで各運営会社のプラン詳細や口コミ を密にまとめていますので、ぜひ参考になさってください。
バーチャルオフィス利用で起こりやすいトラブル例とその対処法・回避法まとめ
バーチャルオフィス利用で起こりやすい様々なトラブル事例を見てきました。
コロナ禍を機にバーチャルオフィス運営会社は急増し、その店舗数は東京23区内だけでも400件以上あることが分かっています。そうなると当然流行りすたれも進み、経営が安定しない会社もでてきます。
トラブル事例は事前に知っておくと回避できるものが多々ありますので、ご利用の際は「安い」というお値段だけに囚われず、サービスや会社全体の内容をしっかりと把握して契約を結びましょう。