バーチャルオフィスのメリット・デメリットを個人・法人別に詳しくご紹介!

個人利用者

バーチャルオフィスを使うメリットとデメリットってどんなものがあるのかな…フリマアプリに自宅の住所を載せたくなくて…

法人利用者

起業用の住所にバーチャルオフィスを検討中だけど、大丈夫だろうか…

大丈夫ですよ。【個人利用】・【法人利用】にそれぞれ分けて、バーチャルオフィスのメリットやデメリット、利用の際の注意事項やその対策をお伝えします!

バーチャルオフィスがそもそもよく分からない」という方はこちらもおすすめ

目次

バーチャルオフィスを使うメリット・デメリット【個人利用編】

個人がバーチャルオフィスを利用するメリット・デメリットを分かりやすくお伝えします!

個人利用でバーチャルオフィスを使うメリット

1.自宅の住所を公開せずに済む

バーチャルオフィスを利用すると住所が借りられるため、自宅の住所を広く公開せずに済むようになります。
個人利用の場合、用途として多いのは「ネットショップなどの特商法表示欄用」等ですが、それ以外でも色々な申請や登録、情報発信の際に自身の住所や電話番号を使わなくて済むようになるため、プライバシーを守りながら安心して様々な活動を行う事ができます。

2.必要な時に気軽に使える

個人がバーチャルオフィスを利用する際は、法人よりも提出物が少なかったり・審査が厳しくなかったりで、早ければ即日利用を開始することができます。
プランによって契約期間は様々ですが、「ひと月だけ利用」なども可能で、想像以上に気軽にサービスを利用することができます。

3.最小限の費用で済む

物件を一部屋を借りようと思うと最低でも数万円はかかってしまうものですが、バーチャルオフィスで住所を借りる場合はワンコイン(500円程度)からレンタルが可能です。場合によってはひと月300円ほどで借りられる会社も。
かなりのコスト削減が可能です。

4.独自サービスの利用でより安心安全に活動できる

バーチャルオフィスの運営会社には様々な特色があります。
前項のように「とにかく安い」という魅力のある会社もあれば、無料で「到着郵便物のGPS混入チェック」を行なってくれるという魅力を持つ会社も。そのようなサービスは例えばファンからの贈り物の多い方が荷物の受取先として利用する場合にうってつけです。
このように、利用目的に応じて様々な会社の特色から状況に合ったプランを選ぶことができます。

5.会議室などの利用で活動の幅が広がる

バーチャルオフィスによっては会議室が併設されており、有料にはなりますが(多くは1時間1,000円程)、割安価格で利用することができます。
会議や打ち合わせだけでなく、セミナーや講習会などを開催することも可能ですので、活動の幅がぐっと広がります

個人利用でバーチャルオフィスを利用するデメリット

1.郵便転送料金で利用料がかさみがち

個人利用の場合はどうしても「格安料金のバーチャルオフィス」を選択しがちです。
その場合、住所利用だけならよいのですが、郵便転送電話機能のレンタル(電話転送)などの機能を付けると意外と料金がかさみ、想像以上に請求が発生することがあります。

特に起こりやすいのが「月額料金は格安だったが、郵便転送関連の料金が意外とかかり結果的にランニングコストが上がった」という事態です。

運営会社やプランを選ぶ際に郵便転送機能も必要な場合は、郵便転送の「手数料転送料(それぞれ別物)」「不要な郵便物の廃棄指示は可能か」をしっかり確認しておきましょう。
1回の転送に手数料だけで500円近くかかる会社もあり、そうなるといくら月額料金が安くても、あっという間に余分なお金がかかってしまいます。
格安プランでは意外とこのような流れが多いのでお気をつけくださいね。
念のため【郵便転送が無料/割安のバーチャルオフィス】もお伝えしておきます。

2.同じ住所の利用者が多い

メリットの項でもお伝えした通り、個人利用では法人利用に比べて審査が厳しくない傾向にあるため、利用しやすい反面、逆に言うと「かなり多くの人が自分と同じ住所や物件を利用している」という状態になりやすいです。

その場合、利用者の質も雑多なものとなりやすいため「同じ住所を使う別の利用者がトラブルを起こしたり、怪しいサイトを公開している」などがあれば、ひどい場合は自身も「関係者」等と考えられたり信用が落ちてしまうリスクがあります。

利用者の審査がきちんと行われている信頼性の高い運営会社を選んだり、住所があらかじめ分かる場合は契約前にその住所を検索し、「以前犯罪に使われていたり、おかしなサイトが出てこないか」などを確認してみてください。

3.解約時に住所削除確認がある

こちらはデメリットというよりも注意事項ですが、多くの運営会社では、サービスの解約/終了時に「レンタルした住所をすでに利用していない証明」が必要となります。
証明方法は「レンタルした住所を利用していたホームページやアプリ、名刺などの住所欄の画像を会社に送る(メール/郵送にて)」というのが一般的です。

少し手間にはなりますが、こちらの提出がないと解約が受け付けられなかったり、さらに契約更新の瀬戸際だと「解約の意思はあるのに必要提出物が足りず自動更新→使わないのに利用料が引き落とされる(返金なし)」というトラブルが意外と多く見られますので何卒お気を付けください。

以上が個人利用でのメリット・デメリットとなります。
それぞれしっかり確認し、良いプラン選びの参考にされてくださいね。

こちらに個人利用(副業メイン)でのおすすめバーチャルオフィスを【安い順ランキング】としてまとめていますので、よければ併せてご覧ください

バーチャルオフィスを使うメリット・デメリット【法人利用編】

法人がバーチャルオフィスを利用するメリット・デメリットを分かりやすくお伝えします!

法人利用でバーチャルオフィスを使うメリット

1.金銭面・時間面での大きなコスト削減が期待できる

法人利用の場合は「これから起業したい方」「法人の住所移転をしたい方」「支店を増やしたい方」「事業縮小で営業所をバーチャルオフィスに変えたい方」など様々な利用状況が考えられます。

そのような場合、登記可能なバーチャルオフィスを利用すれば「ひと月1,000円前後から高くても1万円前後」で必要なサービスを受けられるため、実際に物件やオフィスを借りて仕事をすることを考えると圧倒的なコスト削減となります。

また、サービス利用開始までの期間も、申請が通れば早くて即日、遅くても申し込みから1週間以内には利用を始められるため、実店舗のオフィス入居と比較すると時間的・体力的なコストもかなり削減可能です。

申し込みに必要な書類等も実際の物件レンタルより少なくて済みます。申し込みに関する詳細はこちら

2.ビジネスの信頼性やブランド力を上げられる

人気のバーチャルオフィスは「ビジネス一等地」に「綺麗な物件」を所有していることが多く、それらを借りることで自身のビジネスイメージや信頼性を一気に向上させることができます。

事業内容にもよりますが、やはり名刺やホームページなどに記載の会社住所がよく知らない土地にあるよりも、「都心の一等地」だと顧客に与える印象が全く変わります。「会社のイメージ」を大切にしたい場合には特におすすめです。
一等地の住所が借りられるバーチャルオフィス】も併せてお伝えしておきます。

3.代表者のプライバシーが守られる

自宅の住所などで登記してしまうと、個人情報が広く・長く公開されてしまうため、トラブルの元となる可能性があります。
例えば不要な営業訪問をはじめ、特に女性起業家であれば身の安全も心配されますし、何らかのタイミングで自宅がブログやSNSなどに投稿・拡散されてしまう恐れもあります。(登記簿謄本は現在、ネットでの交付申請と郵便受取を使えば自宅に居ながら誰でも500円で取得可能です。)

法人の登記簿謄本=「登記事項証明書」の見本

住所の記載が必要な欄は基本的に上部の「本店所在地」と下部の「役員欄(代表者住所)」の二か所です。

※そもそも登記に住所表示が必要な理由は、
・各取引に際しての与信調査のため
登記懈怠(情報更新等の怠り)の過料のため
・問題が起こった際(訴訟等)の確実な連絡先として
などが挙げられます。

また登記は最新の情報が申請・受理されても、昔の記録は保管されます。その情報は会社名さえ分かれば「閉鎖事項証明書」を取得することで長期間誰でも確認ができてしまいます(20年間の保管)。

2024年中には「商業登記規則」の改正により、登記簿内下部の「株式会社の代表者住所」を一部非公開にできる(市町村や23区までの表示にできる)予定ではありますが、

・非公開の設定は代表者就任などの登記申請のタイミングでのみ
・非公開にできるのは「代表者の住所」欄のみで、本店所在地」欄の非公開は不可のため、「本店所在地」が自宅住所なら結局そのまま公開されてしまう

こういった仕様のため、やはりなるべくであれば自宅以外での登記がおすすめです。
バーチャルオフィスを利用すると上記のような代表者の個人情報流出リスクが低減されるため、非常に心強いサービスと言えます。

4.バーチャルオフィスでも法人口座開設が行いやすくなってきた

以前は「バーチャルオフィス」というと「怪しい/犯罪」のような印象があり、実際に詐欺やマネーロンダリング等に使われてしまった歴史もあります。それにより2008年に法改正なども行われ、バーチャルオフィスの住所での法人口座開設審査はかつてより厳しくなっていました。

しかし、近年コロナ禍きっかけに多くのバーチャルオフィスが増え、大手企業も参入。その事業力をもって各銀行と直接提携を結ぶなどしたおかげもあり、法人口座の開設が以前よりも行いやすくなっている印象です。
勿論、運営会社の信頼性や、ご自身の事業内容にもよりますが、【口座開設実績の多い会社】を選ぶなどすればより心強いサポートを受けられることと思います。「口座が作れないからバーチャルオフィスは使わない」という時代ではなくなってきました。

5.会社設立支援なども期待できる

一部のバーチャルオフィス運営会社では、「会社設立支援サービス」を提供し利用者のサポートを行っていますので、法人化を目指される方にはおすすめです。

サポート内容は「登記の書類作成や申請をシステム的にサポートするもの(専用アプリなど)」だったり、「提携の士業に書類作成や申請業務を代行してもらう」「起業支援金の無料相談」など会社によって様々ですが、必要な方は利用できるととても便利です。【会社設立支援を行なっているバーチャルオフィス】はこちらでみられます。

6.会議室や電話の利用も便利
(意外と大事な“会議室併設”!)

会議室や固定電話を自身で用意しようと思うと大変ですが、一部のバーチャルオフィスでは備品付きの会議室が利用住所の物件に併設されていたり、電話番号を付与して電話転送や通話、電話対応の代行が利用できるプランやオプションの提供があったりと、ビジネスを行う上でや役立つサービスが沢山用意されています。

意外と盲点なのですが、会議や打ち合わせを行う場所として「名刺やHPとは違う住所に案内される」というのは、顧客に若干の不信感を与える事にも繋がります。その点、利用住所の物件に会議室があり、受付にも人がいるバーチャルオフィスを使えると会社への安心感や信頼感が増します。

また、普段会議室を利用しなくても、融資などをお考えの際は「会議室やコワーク施設併設」などで「実際にその住所が仕事で使われているという実体があること」が査定の際の信用や評価にも繋がりやすいです。(担当者との面談にも利用できるとなお良し。)
それらの予定がある場合は、会議室併設の運営会社がおすすめです。
会議室併設のバーチャルオフィスはこちら
来客対応可能なバーチャルオフィスはこちら

法人利用でバーチャルオフィスを利用するデメリット

1.他社との住所重複・社名重複の可能性(→登記不可)

バーチャルオフィスのサービス形態では、多くの人や会社が同じ住所を利用することになります。
そのため自分の利用住所を顧客にネット検索された際、「犯罪に使われていた」「妙な会社のサイトがでてきた」などがあれば不信感を与えることにもなりかねません。

また、起業を行なったり法人の場合はその住所で法人登記を行うことになります。
その際、「同じ住所を競合他社が使っていると差別化が図れない」「同様の会社名(商号)がすでにあるとそもそも法人登記ができない(同じ本店所在地における同じ商号の禁止)」などの事態が発生する場合もあります。

対策

・利用住所が犯罪や怪しい会社に使われていないか事前に確認
・競合他社が同じ住所を使っていないか確認
・同じ住所に同様の社名がないかあらかじめ確認

2.融資が受けられない可能性がある(法人口座開設も一部注意)

バーチャルオフィス住所での法人口座取得や各種取引はメジャーとなりつつあるものの、金融機関によっては「バーチャルオフィスの住所では融資を行わない(もしくはかなり難しい)」としているところもあります。

特に信用組合などでの創業融資は難しいため、融資元をひとつでも減らしたくない場合は、バーチャルオフィスではなく実際にオフィスを借りたり、やむおえず自宅で登記するなどが必要となります。

また、各種融資を受ける為には法人口座の開設も必要ですが、運営会社選びを誤ると法人口座の開設自体が難しくなる場合もあります。
法人口座開設実績が豊富なバーチャルオフィスなどからしっかりとした会社を選びましょう。

口座開設審査の際には金融機関からの確認事項にきちんと答えられるよう準備も必要です。
一般的な確認事項の内容は、「会社の所在地や資本金、自身の経歴や会社HPの有無」など形式的な事から、「事業の目的とその理由、これまでの実績」など背景や理念的な部分まで様々です。

3.バーチャルオフィスが利用できない業種もある

バーチャルオフィスの住所で事業を行うことは法律的には何の問題もありませんが、一部の業種に限っては必要な要件を満たさず許認可を得られないことがあります。

バーチャルオフィスで事業を行えない業種違法!

弁護士、税理士、司法書士、弁護士などの士業
→扱う内容が個人や企業の進退に関わる重要な内容であり、またその関連書類も秘匿性の高い文書となるためきちんとした事業所が必要。
社会保険労務士、弁理士、中小企業診断士、会計士、建築士などはバーチャルオフィスが利用できます。

人材紹介、人材派遣業
→人材派遣業の開業には20平方メートル以上のスペースが必要。個人的な内容を扱うため、個室が必要となります。

同じように「実際の事業所が必要」とその他の理由で、「探偵業、不動産業、建設業、古物商(中古品販売・リサイクルショップ)、廃棄物処理業・不用品回収業、金融商品取扱業者、マッチングサイト(出会い系)、風俗業」もバーチャルオフィスの利用が認められていません。

ご自身の事業がこれらに当てはまっていないか充分ご確認ください。

4.郵便転送に時間がかかったりトラブルが起こる可能性がある

郵便転送は便利なサービスですが、間に人を介すためトラブルとなりやすい部分です。

たまに見かけるのが、

・思った以上に転送に時間がかかり、請求書の支払いに間に合わなかった
・封書が間違って届いた

などです。

例えば、祝日や大型連休などを挟むと到着まで2週間以上かかってしまったり、一部の無人店舗の場合は「一度有人店舗に転送されてから更に利用者に転送」と2段階踏んでしまう場合もあったりで、想像以上に転送/到着まで時間がかかることがあります利用住所と受取り住所が離れていれば尚更です。
近年、土曜日の郵便配送がなくなってしまったため、余計不満を感じやすい部分です。

対策

来店受取り可能なプランや会社を選ぶ
即日転送(=即時転送/スポット転送)のプランやオプションのある会社を選ぶ
・何の封書が届いたのか分かるような通知のある会社を選ぶ(即時転送利用等のため)
・検討中のプランの郵便転送サービスの中身をよく確認しておく
・郵便関係のトラブルの口コミがない会社を選ぶ→SNSや口コミサイト、【各運営会社の評判記事】で確認

郵便転送のトラブルで会社や人としての信用を失うことが無いよう、事前に気を付けておきましょう。

バーチャルオフィスのメリット・デメリット(個人・法人別)のまとめ

バーチャルオフィスのメリット・デメリットを個人利用法人利用に分けてお伝えしてきました。

どちらの場合もバーチャルオフィスの良さ・便利さをしっかりご確認いただくと同時に、デメリットの部分もきちんと理解し、ご自身の利用イメージとすり合わせながらプランや会社選びを行なってください。

またバーチャルオフィスの良さのひとつは「契約の開始と解約が比較的簡単に行える」という部分ですので、悩んだ場合には慎重になりすぎるより「実際に使ってみる」というのもひとつです。
実際に使ってみると「ここがこうだったらいいな」など、より具体的に考えることができるようになるためです。

良い面と心配な面をご理解いただき、あなた様が安全でより良いバーチャルオフィスライフを送れますよう願っております。

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